Partiton-Savingは、DOSのグラフィカルなインターフェースで各種の設定を入力して使うのが主な形態です。
しかしこの方法は視覚障害者にとっては使いにくいです。
もうひとつ、設定ファイルをあらかじめ作成しておき、コマンドラインからそれを指定して実行させる方法があります。これなら視覚障害者でも問題なく使えます。
設定ファイルを仮にsome.cfgとすると、
SavePart.exe -s -f some.cfg
でバックアップ。
SavePart.exe -r -f some.cfg
でリストア動作になります。
この設定ファイルはテキストファイルなので、メモ帳やエディッタで作成編集できます。
オプションの説明は、同梱Readme.txtの「12- Options file contents」という部分にあります。そのまま訳すと著作権上の問題が生じますので、以下では、この項の筆者が咀嚼したものを説明します。できるだけ正確を期しますが、あるいは間違いや勘違いが紛れ込むかもしれません。おかしいなと思ったら、元のReadme.txtを参照してください。
【設定ファイルのオプション】
設定ファイル名は任意のものが使えます。ノートバッドなどのエディッタで作成してください。
すべての項目を設定する必要はありません。
必須なのはバックアップ、あるいはリストアするターゲットのパーティションの指定、そしてバックアップデータのファイル名と、対象ターゲットのファイルシステムぐらいでしょう。
設定項目が不足していると、実行時にグラフィカルな画面が出て入力を求められるので、厄介です。
1行にひとつのオプションを書きます。
行頭にセミコロンがあると、その行はコメントとして無視されます。
mouse=no
これを書くとマウスを使わない設定になります。
マウスドライバの組み込みなどが面倒なので、書いておいたほうがいいように思います。
check_drive=no
バックアップあるいはリストアをするパーティションに、データをおくことはできません。もし置いていると、警告メッセージが出ます。しかしこのオプションを書くと、このチェックが行われず、警告メッセージも出ません。
リストア時に、対象パーティションにデータがあると悲惨なことになります。パーティション上のシステムは消されるとともに、リストアデータも消えてしまいます。
だからこのオプションは書かないほうがいいと思います。
verify_disk_write=no
これを書くと、ディスクの不良セクタの検査がスキップされます。
リストアのスピードはあがりますが、信頼性が落ちるので、書かないほうがいいと思います。
verify_file_write=no
通常はデータ保存用のドライブにアクセス可能で、うまく書き込めるかどうかをチェックするようです。
このオプションを書くと、その作業がスキップされます。
バックアップのスピードはあがりますが、信頼性が落ちるので、書かないほうがいいと思います。
lang=[en|fr|fr_2]
使用する言語のオプションです。多くは英語を選択すると思うので、
lang=en
としておくのが適当と思います。
user_interface=[console|text]
ユーザーインターフェースとして、コマンドラインのインターフェースを使うか、テキストウィンドウを使うかの選択です。
user_interface=text
でいいように思います。
disk=<number>
main_part=<number>
ext_part=<number>
後述するdeviceオプションで指定する方法もありますが、通常は、diskとmain_partのふたつ、場合によってはそれにext_partを加えた3つの要素で、対象パーティションを指定します。
diskは物理ドライブの番号です。0が最初の物理ドライブです。PCにひとつのハードディスクしかなければ、そのひとつはdisk=0になります。2つあり、その2番目のドライブを指定したいときはdisk=1になります。
main_partは、パーティションの番号です。1が始まりです。1台の物理ドライブに設定できる基本パーティションは4つまでなので、main_part=1からmain_part=4までに限定されることになります。
基本パーティションのひとつを拡張パーティションにしていると、そのパーティションはさらに論理パーティションに分割できます。これを指定するのがext_partです。これも1から始まり、分割している数まで指定できます。
一般にシステムがある起動ドライブはCです。これは、
disk=0
main_part=1
と表現できることが多いでしょう。
Windows2000/XPのブートローダーを使い、Dから起動しているときは、
disk=0
main_part=2
となることが多いでしょう。
このターゲットパーティションの指定は必ず書いておく必要があります。
書かないと、グラフィカルな画面で選択しなければなりません。
floppy=<number>
対象がフロッピードライブであるときは、フロッピードライブを番号で指定します。
番号は0から始まり、フロッピードライブが一台しかなければfloppy=0です。
当然ながら、このオプションは、diskや後述のdeviceオプションと両立しません。それらを混合して書いたら、処理は失敗するでしょう。
device=[A-Z]
DOSのドライブ文字を使って対象パーティションを指定します。
一見、これが簡単そうですが、Windows上のドライブ文字とDOS上のドライブ文字は異なることも珍しくないので注意が必要です。
この指定は、当然、diskやfloppyの指定と両立しません。それらを混合して書いたら、処理は失敗するでしょう。
def_level=<number>
圧縮率を0から9までの数字で指定します。
0なら非圧縮、9がもっとも高い圧縮になります。
これを指定せず、後述のfile名指定が存在すると、非圧縮になるようです。
この項目はバックアップ時にのみ意味をもち、リストア時は無視されます。
file=<file name>
バックアップするデータ、リストアするデータをフルパスで指定します。これはDOSから認識できるパスでなければなりません。つまりNTFS上におくことはできません。複数のfileを並べて表記できます。より上に書かれたファイル名から順番に使用されます。実際に使用するよりも多くのファイル名を載せておいても問題は出ません。リストア時も、存在しないファイル名が後ろに続いていても問題は出ませんでした。
file名の指定が不足すると、ウィンドウが出て入力を求められるようです。したがって多めに指定しておくのがいいでしょう。
またファイル名やディレクトリ名は、最長で名前を8バイト、拡張子3バイト以内におさめ、すべて半角文字を使っておくのが無難だと思います。
max_size=<number>
バックアップ時にだけ関係します。
データファイルの最大サイズを指定します。1から2047(MB)まで指定できます。
この指定がないと、データファイルは、そのディスクの余裕いっぱいまで大きくなります。
複数指定が可能で、fileのエントリに対応します。
file指定の数より、max_sizeの指定数が少ないときは、最後の指定値がその後のfileについても使用されるようです。したがってすべて同じサイズなら、ひとつだけ指定すればよいことになります。
filesystem=[no|fat12|fat16|fat32|ext2|ntfs|MBR|firstsect|parttable|fat12mem|fat16mem|fat32mem]
バックアップ時に意味をもちます。リストア時は無視されます。
filesystem=noとすると、ファイルシステムに無関係に、対象パーティションのすべてのセクタをバックアップします。この場合は、リストアは、バックアップしたパーティションそのものへ復元することに限定されるようです。
fileseystem=fat32などと、ファイルシステムを指定すると、対象パーティション中の、指定ファイルシステム部分にある使用セクタだけを、バックアップすることになります。この場合、バックアップしたパーティション以外へのりストアが可能になります。(いくつか他の条件も満たさなければなりませんが)。
quit=[yes|no|nobadsector]
quit=yesとすると、処理終了後にプログラムが自動的に終了し、DOSプロンプトに戻ります。
quit=nobadsectorとすると、処理中に不良セクタが発見された場合は自動終了しないで、エラーリストが表示されるようです。このエラーリストはOKボタン(たぶんENTERでいい)で消去でき、消去とともに、プログラムは終了します。
quit=noがデフォルトです。プログラム終了のためにOKボタンを押す必要があります。
quit=nobadsectorがいいかもしれません。必ずしもというわけではないものの、処理が正常に進行したならプログラムは自動終了し、エラーが発見されたら自動終了しないことで、状況を判断できるでしょう。
reboot=[yes|no]
reboot=yesとしておくと、終了後に、マシンを再起動します。