卒業研究要約
平成10年度卒業研究要約
テーマ: 視覚障害者の情報アクセス
−公共図書館Web OPAC利用の現状と課題を中心に−
本論文では第1章で、視覚障害者のパソコン利用を紹介し、第2章では、公共図書館ホームページをWeb OPACを中心に現状と問題点を明らかにした。第3章では、公共図書館の電子化について現状を取り上げ、視覚障害者に対するアクセシビリティの現状と今後の課題を報告した。
特に、第2章で、視覚障害者の立場からWeb OPACを評価したところ下記のような結論を得た。
(1)視覚障害者用インターネット閲覧ソフトでは、Voice Explorer98では、全ての図書館の蔵書検索が可能であった。また、ホームページ・リーダーでは、JAVA Scriptで書かれているページは利用困難であった。さらに、他のテキスト系閲覧ソフトでは、FRAMEやイメージマップなどの制約も見られた。
(2)視覚障害者が検索ページを利用できるようにするには、タイトル情報の記述、画像へのコメント記述、クライアントサイド・イメージマップへのコメントの記述、FRAME・JAVA Scriptなどを利用しないことなどが必要である。
(3)視覚障害者の利用にはできるかぎり簡略な検索ページがよく、検索ボタンや条件クリアボタンなどの位置も配慮が必要である。
(4)検索結果詳細画面では、所蔵状況や予約状況・返却予定をできるかぎり分かりやすいテキストで記述することが重要である。また、解題の記述は内容把握に有効であった。
なお、詳細は、図書館問題研究会発行「みんなの図書館」1999年5月号を参照されたい。
Copyright(C)2004 杉田 正幸(Masayuki Sugita)
最終更新日:2004年7月30日